患者と同僚、そして⾃分も守る「医療安全」
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~2026年4月20日まで
2026年5月8日~5月24日
2026年1月16日(金)PROto「患者と同僚、そして⾃分も守る『医療安全』」を開催しました。
講師
京都大学医学部附属病院 医療安全管理部 部長・教授
松村 由美 先生

セミナー概要
本セミナーでは、
京都大学医学部附属病院 医療安全管理部 部長・教授の松村由美先生をお迎えし、
医療安全を「個人の努力」ではなく、「人とシステム、そして文化」で捉える視点について学びました。
参加者の約9割が看護師で、スタッフ層からリーダー・教育担当まで、幅広い立場の医療者が参加しました。
講義では、
ヒューマンエラーの正体
「注意すれば防げる」という考えの限界
医療安全を支える三層構造(個人・チーム・制度)
心理的安全性と安全文化
といったテーマが、研究データや身近な例を交えながら丁寧に解説されました。
参加者の学びと気づき①
「医療安全は“気合”や“注意”では守れない」
参加者から多く聞かれたのは、
「今までの医療安全の捉え方が変わった」という声です。
「注意していれば防げると思っていたが、それは思い込みだった」
「ダブルチェックさえしていれば安心、という考えが崩れた」
「ヒューマンエラーは誰にでも起こる前提で考える必要があると実感した」
講義では、
スリップ・ラプス・ミステイクといったエラーの種類や、
人間の注意力や集中力には限界があることが示され、
“人は間違える存在である”という前提に立つことの重要性が強調されました。
参加者の学びと気づき②
「インシデントは“反省文”ではなく、学びの材料」
特に多くの共感を集めたのが、インシデントレポートの捉え方です。
「インシデントレポートが反省文になっている現状に、ハッとした」
「責められる文化があると、報告しなくなるという話に納得した」
「隠すことが一番危険だと改めて感じた」
松村先生は、
「報告されて初めて、組織は学ぶことができる」
と語り、
個人を責めるのではなく、システムとして改善する視点を持つことの大切さを伝えられました。

参加者の学びと気づき③
「まずは“自分を守る”ことが医療安全につながる」
今回のセミナーで、参加者の心に強く残ったキーワードの一つが、
「自分の余裕」でした。
「全力でやらなくていい、80%で働いていいという言葉に救われた」
「愚痴を言ってもいい、という話にホッとした」
「自分を大切にすることが、患者を守ることにつながると感じた」
疲労・ストレス・感情の揺れといった要因が、
エラーの“土壌”になることを踏まえ、
医療安全は“自己管理”や“心理的安全性”とも深く関係していることが共有されました。
チームで守る医療安全へ
講義後半では、
心理的安全性の高い職場とは何か
意見や違和感を安心して言える環境づくり
「みんなで作っていく文化」の重要性
についても触れられました。
「一人で抱え込まなくていい、という言葉が印象的だった」
「まずは自分が信頼される存在になろうと思った」
「職場の医療安全委員会の活動に活かしたい」
といった声から、
明日からの行動につながる具体的な学びとして受け取られたことがうかがえます。
まとめ
今回のPROtoは、
「医療安全とは何か」を改めて根本から問い直す時間となりました。
人は間違える
だからこそ、責めない
仕組みと文化で守る
そして、自分自身も大切にする
これらの気づきは、
患者・同僚・そして自分自身を守るための、確かな土台となるはずです。
日本急性期ケア協会では、急性期ケア専門士をはじめとする医療者の皆さまが、
安心して働き続けられる医療現場づくりを支える学びを、今後も提供してまいります。
急性期ケア専門士は急性期ケア・急変対応におけるスペシャリストです。
状態変化の兆候をいち早く察知し、アセスメントから初期対応、医師への報告など急性期におけるケアの実践を行えることを目指す資格です。
また、病院だけでなく地域医療に携わる医療スタッフの方にも、在宅時から基幹病院へ【命のバトンをなめらかに】つなぐために実践できるノウハウを習得できます。
もしもの時の対処に自信がない方や、急変対応をもっと深く学びたい方は、ぜひ受験をご検討ください。


