Onsetを意識した臨床推論~呼吸困難感・腹痛~

2025年12月25日 ライブラリー

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目次

2025年11月27日(木)PROto「Onsetを意識した臨床推論~呼吸困難感・腹痛~」を開催しました。

講師

北海道大学大学院 医学院 医学専攻

内科系 内科学講座 循環器内科学教室

医員 

上原 拓樹  先生

セミナー概要

本セミナーでは、「Onset(発症様式)」をキーワードに、呼吸困難や腹痛といった急性症状の背景にある臨床推論の考え方を学びました。

講義では、「症状がいつ・どのように始まったのか(Onset)」が診断の鍵を握るというテーマのもと、実際の症例をもとに、

呼吸困難と腹痛を「ABCアプローチ」と「病態(Byotai)」で整理して考える方法が紹介されました。

 

参加者の学び「Onset」で見える、急変時の一歩先の判断

多くの参加者が、「Onsetという言葉を初めて知った」「発症の瞬間を意識することで対応が変わる」といった声を寄せました。

アンケートでは、次のような学びや気づきが多く挙げられています。

「発症部位+Onsetを意識して問診の質を高めたい」

「突然と急には緊急度が高いと実感した」

「呼吸数の変化を“Onsetのサイン”として捉えるようにしたい」

「問診の8割で鑑別できるという言葉が印象に残った」

「ABCアプローチで“解剖→病態→重症度”の整理がわかりやすかった」。

問診の深さで診断が変わる」という先生の言葉に、参加者の多くが共感。

特に「呼吸困難=肺炎や喘息」と決めつけず、心不全や肺塞栓など“Onsetで考える鑑別”を行う大切さを実感したという声が目立ちました。

 

 

腹痛にも活かせる「Onset×解剖的思考」

後半の腹痛編では、発症の速さ(Sudden/Rapid/Acute/Subacute/Chronic)解剖の位置関係から病態を整理する方法が紹介されました。

参加者からは、

「“痛みの部位に何があるか”を意識して問診する視点が役立った」

「Onsetと臓器の関係を組み合わせると、報告の質が上がりそう」

「突然の腹痛=破裂、急な痛み=捻転、炎症は数時間~日単位、という整理が頭に残った」

など、具体的な臨床イメージと結びつけて理解できたという声が多数寄せられました。

また、「Onset表がとても見やすく、すぐ活用できそう」「疾患を時系列で捉えることの重要性に気づいた」という感想も多く見られました。

 

“考える”ことから始まる臨床推論

上原先生は講義の中で、

ABCアプローチで解剖を意識し、Onsetで時間軸を意識する。その2つを組み合わせると、診断の“見通し”が見えてくる」と述べられました。

この考え方は、単に疾患を知るだけでなく、「患者の変化に気づく看護力」を高める実践的な手法としても注目されています。

参加者からも

「デイサービス勤務でも“調子が悪い”という訴えにOnsetを意識して対応できそう」

「Onsetを考えることで、報告の精度が上がると思う」

「トリアージや急変対応の判断にも役立つ」

との声が寄せられました。

 

 

まとめ

本セミナーを通して、参加者は「Onset」という新しい視点から、症状の経過を読み解き、より正確な臨床推論につなげる力を磨きました。

上原先生の言葉を借りれば、「問診で“時間の流れ”を意識できれば、診断の精度は飛躍的に高まる」という学びが、看護師一人ひとりの現場力を支えるヒントになったことでしょう。

 

日本急性期ケア協会では、今後も急性期ケア専門士を対象に、現場で役立つ臨床推論スキルを学べるセミナーを開催してまいります。

 

 


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