血液ガス分析(BGA)の基本:各項目の基準値と読み方

2024年6月19日 ライブラリー

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目次

血液ガス分析とは

患者さんの対応中に動脈血採血から血液ガスを測定することは多いですよね。
ここでは、血液ガス測定で何が測れているのか考えていきましょう。

まず、動脈血酸素分圧(PaO₂)動脈血二酸化炭素分圧(PaCO₂)pHは直接測定され、これらから求められる重炭酸イオン(HCO₃⁻)から酸塩基平衡が表されます。さらに、計算上のヘモグロビンやBE(Base Excess)電解質が表記されます。
通常、採血には専用シリンジを用います。抗凝固剤にはヘパリンが入っています。

血液ガス測定は、一般的な血液検査より結果が早く得られ、多くの情報を得ることができます。また、酸素化の重症度の目安となるP/F比(PaO₂/FiO₂)や、高炭酸ガス血症で用いられる
A-aDO₂(PAO₂- PaO₂)などの算出に役立ちます

血液ガス測定

血液ガスの読み方の基本

一番読みやすいところから血液ガスを読んでみましょう。

pH

血液が酸性かアルカリ性かどちらに傾いているのかを示す数値
・正常値は7.35~7.45
7.34以下ならアシドーシス(酸性)
7.46以上ならアルカローシス(アルカリ性)

 

PaO₂

動脈血内の酸素分圧
・正常値は83~108mmHg
82mmHg以下なら低酸素
109mmHg以上なら高酸素

 

PaCO₂

動脈血内の二酸化炭素分圧
・正常値は35.0~45.0mmHg
34mmHg以下なら低炭酸ガス(過換気)
46mmHg以上なら高炭酸ガス(低換気)

 

まとめ
  • 酸素はアルカリ性:PaO₂が上昇するとpHも上昇
    呼吸性アルカローシス(PaO₂↑、PaCO₂↓)
  • 二酸化炭素は酸性:PaCO₂が上昇するとpHは低下
    呼吸性アシドーシス(PaO₂↓、PaCO₂↑)

ここまでが基本的な血液ガスの読み方になります。

血液ガスをもっと深く分析するには

血液ガスを読むことが少しややこしくなるのは、代償機転が働くからです。
人間の体には、どこかが破綻すると補おうとする働き(ホメオスタシス)がありますね。

つまり血液内でもアシドーシスに傾くと、どこかで代償されて正常値に戻そうという働きが生じます。それを読み取るのに理解しなければいけないものが、重炭酸イオン(HCO₃⁻)とBEです。

 

HCO₃⁻

主に腎臓で産生される酸を中和させる最大の物質
・正常値は24mmol/L

 

BE

HCO₃⁻正常値からどれだけ過剰になっているかを示した指数
・正常値は-2~+2mmol/L
・多い場合は「+」、少ない場合は「-」

 

種類別にアシドーシスを読み解いてみましょう

呼吸性アシドーシス(PaCO₂ 45mmHg以上かつ BE-2以上)

急性呼吸性アシドーシス・・・BE-2~+2mmol/L
慢性(代謝性)アシドーシス・・・BEが+2mmol/L以上

 

代謝性アシドーシス(PaCO₂ 45mmHg以下 かつBE-2以下)

急性代謝性アシドーシス・・・PaCO₂ 35~45mmHg
慢性(代償性)アシドーシス・・・PaCO₂ 35mmHg未満

 

混合性アシドーシス

PaCO₂↑ BE-2以下は代償判定を行わない

 

このように数値から今、どんな状態なのかを知ることができます。

 

 


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