わかっちゃいるけど確認しておきたい!BLSの基本

2024年2月14日 ライブラリー

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目次

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BLSとは

BLSとはBasic Life Supportのことで、日本語では「一次救命処置」と訳されています。
具体的な手技としては「胸骨圧迫」「気道管理」「人工呼吸」「AED」のことを指します。
今ではBLS手技は、消防署で行う「救命講習会」や自動車学校での必修項目となっており広く親しまれています。

原則、救急の現場では心肺停止の疑いがある傷病者に対しBLSを行うことにライセンスなどは必要ありません。
誰もが行える救命の手技なのです。
しかし、急性期ケア専門士をはじめとする医療職者の皆さんは、より効果的でエビデンスに基づいていなければいけません。

少し医療者や急性期ケア協会の行うべきBLS手技について深堀してみましょう。

プロの行うBLS手技

BLSで最も重要なことは「胸骨圧迫」です。

胸骨圧迫を行う場合は、傷病者を固く平らなところに仰向けにし、胸の中央「胸骨の下半分」を救助者の手掌基部で垂直に圧迫します。
圧迫の深さは5cm以上6cmを超えない深さで1分間に100~120回のスピードでリズムよく圧迫します。

圧迫後はその都度解除し胸をもとの位置まで戻します。
圧迫は絶え間なく行い中断をなるべく少なくします。
全CPR(心肺蘇生処置)の時間の中で胸骨圧迫の時間の割合が60%以上であることを目指します。
熟練されトレーニングを積めば80%以上も目指せます。

気道確保は、通常「後部後屈」「顎先挙上」で行います。
換気は傷病者の胸の上りがわかる程度の空気を1回1秒かけて行います。

AEDが届いたら直ちに使用します。
文書に書くとこんな手技になります。

BLS手技の流れ
  • 周囲の安全の確認
  • 肩をたたき大声で呼びかけ意識を確認する
  • 応援を呼ぶ 救急通報 AEDを取り寄せる
  • 正常な呼吸があるか確認する(医療者は頸動脈で脈拍を確認する)
  • 胸骨圧迫からCPRをおこなう (30:2が原則)
  • AEDがあれば直ちに使用する

BLSのキャリアアップ

前述したように一般的にはBLSを行うことにライセンスは必要ありません。
しかし、より正確な技術と知識のためにBLSの資格も存在します。

BLSプロバイダーコース(アメリカ心臓協会)

AHA BLS Provider

BLSプロバイダーコースは、HA(アメリカ心臓協会)の認定インストラクターが行うコースです。
成人、小児、乳児の心停止に対するBLSを学びます。胸骨圧迫やAEDなどとともに生命を脅かす「窒息」の解除も学びます。
講習会は6時間程度です。終了時に実技テストと筆記テストがあります。
受講資格に縛りはありません。医師や看護師、救急救命士など医療食者向けの講習ですが希望があればだれでも受講ができます。資格の有効期限は2年間です。

ハートセイバーAED(アメリカ心臓協会)

AHA Heart Saver AED

ハートセイバーAEDは、AHA(アメリカ心臓協会)の認定インストラクターが行うコースです。
成人の心停止に対するBLSとAEDの取り扱いを学びます。
受講資格に縛りはありません。一般市民向けの講習です医師から看護師、教師や学生やスポーツインストラクターなど、だれでも受講ができます。
講習会は3時間程度です。資格の有効期限は2年間です。

PEARSプロバイダーコース(アメリカ心臓協会)

AHA PEARS Provider

AHA(アメリカ心臓協会)の認定インストラクターが行うコースです。
小児や乳児に対するBLSのコースです。致死的に陥る小児や乳児に対する観察や介入、そしてCPRを学ぶことができます。
受講の対象者は主に医療従事者、保育士、幼稚園教諭、養護教諭などです。
講習時間は8時間程度です。資格の有効期限は2年間です。

 

これらの資格のコースは各県及び各種医学会で開催されています。また、県によっては看護協会でも受講することが可能です。
もしもの緊急時に備えて学んでおくことはとてもいいことだと思います。

わかっちゃいるけど確認しておきたい「BLS」を深堀りしてみました。

 

 


急性期ケア専門士は急性期ケア・急変対応におけるスペシャリストです。

急性期ケア専門士とはHP画像

状態変化の兆候をいち早く察知し、アセスメントから初期対応、医師への報告など急性期におけるケアの実践を行えることを目指す資格です。

また、病院だけでなく地域医療に携わる医療スタッフの方にも、在宅時から基幹病院へ【命のバトンをなめらかに】つなぐために実践できるノウハウを習得できます。

もしもの時の対処に自信がない方や、急変対応をもっと深く学びたい方は、ぜひ受験をご検討ください。

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