急変した患者の発見からCPRまで
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倒れている、倒れる人を目撃したら「緊急事態!」と心得よ
多くの人にとって「倒れている人を見た」「目の前で人が倒れた」などの出来事は、非日常的ですね。
しかし、医療職者である我々にはいつ起こってもおかしくない事の一つです。
倒れている人を発見したら
目の前で人が倒れた場合、周囲の安全を確認しつつ傷病者に近づき大声で呼びかけながら意識を確認します。意識があればABCDサーベイを用いて評価をします。
意識がない場合はまず応援を呼ぶ
意識がない場合は緊急事態の可能性が高くなります。なんらかの方法で応援を集めましょう。
「大声」
「ナースコール」
院内であれば比較的人は集まるでしょう。その時に救急カートやモニター付き除細動器も準備してもらいましょう。この行動が救命の第一歩になります。
応援を呼び機材が届く手配がすんだら傷病者の評価に入ります。呼吸は正常か、脈拍は触知できるのか、迅速かつ同時に評価しましょう。
呼吸の確認
次に、呼吸の確認を行います。
心停止直後は「死戦期呼吸」「喘ぎ呼吸」と言われる有効ではない呼吸を呈する場合があります。これらの呼吸は、深呼吸のように見えたり、弱々しかったりと様々ですが、多くは遅い呼吸で正常と判断してはいけません。
「死戦期呼吸」「喘ぎ呼吸」は呼吸がないと考えて行動をしましょう。
脈拍の確認
次は脈拍の確認を蝕知しましょう。意識をなくすような緊急事態では、まず頸動脈を触知します。これは低血圧に惑わされないようにするためです。頸動脈の位置は気管と側頸部の間の溝に指2~3本で触れて触知します。脈拍は、「触れない」「触れる」「わからない」の3つの中から選択しましょう。
評価で押さえておきたいポイント
ここまでが倒れている人を評価する際の手順です。ポイントをまとめます。
- 呼吸と脈拍は同時に評価
- 10秒以内で確認する
- 死戦期呼吸や喘ぎ呼吸は「呼吸無し」と判断する
- 脈拍の確認は頸動脈
CPRの開始
傷病者の評価ができたら、いよいよCPRです。
胸骨圧迫からCPRを開始する場合
下記の状態が揃った場合は、胸骨圧迫からCPRを開始します。
- 意識がない
- 呼吸がない
死戦期呼吸、喘ぎ呼吸しかない
- 脈拍がない
頸動脈触知で触れない・わからない
正常な呼吸・脈拍が触知できる場合
正常な呼吸があり、脈拍が触知できる場合は、救急応援者が到着するまで監視しましょう。
正常な呼吸無し・脈拍が触知できる場合
正常な呼吸は無いが脈拍が触知できる場合は、補助呼吸を行いましょう。
- 6秒に1回(10回/分)の補助呼吸
- 2分ごとに脈拍の再確認
脈拍が触れなくなった・わからなくなった場合はCPR開始しましょう。
さいごに
急変対応では傷病者の情報が乏しいことが多いですよね。
自分や周りの人を守るためにも、血液を含む体液は「感染源」であると仮定し、感染対策を万全にしておきましょう。院内であれば、手袋・ガウン・マスク・ゴーグル等の感染防御用具を装着して対応しましょう
急性期ケア専門士は急性期ケア・急変対応におけるスペシャリストです。
状態変化の兆候をいち早く察知し、アセスメントから初期対応、医師への報告など急性期におけるケアの実践を行えることを目指す資格です。
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もしもの時の対処に自信がない方や、急変対応をもっと深く学びたい方は、ぜひ受験をご検討ください。