質の高いCPRとは

2024年7月17日 ライブラリー

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目次

CPR(心肺蘇生法)の基本

CPRを行うときは「質の高いCPR」を目指しましょう。

CPRの主要な構成要素には大きく3つがあります。

  • 胸骨圧迫
  • 気道の確保
  • 人工呼吸

胸骨圧迫

  • 傷病者が固く平な場所に仰向けであることを確認する
  • 胸の中央で胸骨の下半分を手掌基部で圧迫する
  • 100~120回/分のテンポで実施(目標値として110回/分でもよい)
  • 5cm以上の深さで圧迫し、6cmを超えてはいけない
  • 5cm圧迫したら5cmしっかりと元に戻す(リコイル)
  • 胸骨圧迫の中断時間を最小限にする(10秒以下を目標に)

気道確保

    • 頭部後屈―あご先挙上法

最も一般的な方法

    • 下顎挙上法

頭部や頸部の損傷が疑われる場合

人工呼吸

換気は30:2の割合で行います。

  • 胸の上りがわかる程度の換気
  • 一回の換気は1秒かける

換気は多ければいいというものではありません。過剰な換気は、胸腔内圧の上昇を招き静脈還流の低下、胃膨満を招き嘔吐を誘発する危険があります。

胸骨圧迫の中断を最小限にするためお互いに声を出し、お互いを評価することも必要です。

CPRの質をさらに高める

CPRの質を高めるために用いられるディバイスとして「フィードバック器具」があります。CPR中にフィードバック器具を用いると胸骨圧迫の質の評価や中断時間を知らせてくれます。皆さんの施設で使用が可能なら使ってみてください。

CCF(Chest Compression Fraction)

CPRの質に重要な概念としてCCF(Chest Compression Fraction)があります。CCFは全蘇生行為のうち、傷病者が受けた胸骨圧迫の時間の割合です。訓練をつんだ蘇生チームではCCFが80%を超えるパフォーマンスを示すこともあるそうです。CCFを少しでも高め、60%以上を目標に胸骨圧迫を行いましょう。

 CPRの質を高める訓練

CPRを必要とする場面は医療職者であれば突然起こりえます。しかし、質の高いCPRは急にできるようになるものではありません。蘇生メンバーとして加わり、質の高いCPRを提供するには訓練が必要です。

最初はOff the Job Training

もちろん最初はOff the Job Trainingでも構いません。院内や院外の研修・講演・講義に参加し、十分に知識と技術を身に着け十分にトレーニングをしましょう。

知識が付いたらOn the Job Training

現場ではOn the Job Trainingも必要です。実際に蘇生チームとして加わり処置を行い、その後、チームでフィードバックやCCFの数値を見て、達成できたこと・改善するポイントなどを話し合いチーム力を高めていきましょう。

 

 


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