救急カートを点検する際のチェックポイント

2024年3月6日 ライブラリー

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救急カートの点検はどのようにしていますか?

病院には必ず設置してある『救急カート』

勤務毎に定数のチェックや器材チェックを必ず行っているかと思います。なぜ毎日確認する必要があるか、理由を答えられますか?時間が無い中で「とりあえず数が合っていればいいや」とチェックしていませんか?

頻繁に活躍しない病院では、カートの上に物が乗っている、使用期限が切れている物品がそのまま……なんてことも。

 

急変にはみんな自信がない!

救急外来や集中治療室、ドクターカーやドクターヘリに乗るような、現役バリバリの救急部門のスタッフの方も、初めからスムーズな急変対応が出来ていたわけではありません。みんな、初めてで緊張して上手くいかなかった経験があるわけで、そこから何度も急変の経験を積める部署にいるか、自身で学び続けるかで、急変対応に自信が付いてくるのです。

そのような場面に、年1回、遭遇するかどうかの部署にいる方たちは、苦手で当然だと思います。だからこそ、日ごろ何気なく実施している、救急カートの点検を『急変対応の学びの場』と位置付けることは、とても重要で貴重な時間になるのです。

救急カート

救急カートの基礎知識をおさらいしよう

仕様は基本、院内統一

急変時には必要物品をすぐに使えることが重要です。緊急時に備え、救急カートは日頃から整備・点検し、常時使用可能な状態にしておきます。院内で統一した物品を整理した院内基準を遵守しておくことが基本です。
極端に言えば、全国どこの病院に行っても、どの病棟や外来、手術室、ICUに行っても、誰でもすぐに使用でき、処置ができるような配置にしておく必要があるわけです。

すぐに使える状態をキープ!

点検は、使用した時点で行う場合と、定期的に行う場合があります。病院ごと、病棟ごとに異なると思いますが、救急外来や集中治療室などは、1日2回、朝と夜に実施している部署もあるでしょう。こうした点検は物品と確認項目をまとめたチェックリストを用いて行い、点検漏れを防ぐようにします。

では、具体的に何を、どのようにチェックしておけばよいのでしょうか。ここでは、必須のチェック項目を紹介します。

救急カートのチェックを行う看護師

①使用期限を確認する!

薬剤については、

  • 使用期限
  • パッケージの破損の有無

などを確認します。滅菌処理された物品に関しては、

  • 滅菌の期限が切れていないか

を確認します。

②電池やバッテリの状態を見る!

喉頭鏡は必ずハンドルとブレードを組み合わせて、

  • 電球の点灯
  • 十分な明るさはあるか

などを確認します。ペンライトも同様です。

また、AEDでは

  • インジケーターの表示でバッテリーの残量

を確認します。

筆者は、喉頭鏡のチェックをする場合、実際に挿管介助のイメージトレーニングをしながらチェックをしていました。(もし今夜、個室患者があるいは大部屋の患者が急変し挿管する場合のカートの配置方法は?ブレードのサイズは?そういえば、あの部屋の中央配管の位置はどうだったかな?当直医師と挿管するなら?医師の利き手はどちらかなど)

③必要量が備わっているか確認する!

チューブ類などに関しては、数量を確認して不足していればその場で補充します。(後で補充しようと思っていると忘れますよ!)

点滴に関しては「点滴のルートや固定テープなどが使われており、いざという時に足りない」なんて事が無いように。また、酸素ボンベの残量にも注意が必要です。「使用時に空になっていた」ということがないように、十分に残量があるかどうかの確認をしておきましょう。

救急カートに入れる薬剤選びのポイント

救急カートに入れる薬剤は、基本的に救急蘇生のガイドライン内で用いられる薬剤の中から選択されています。また、救急カートは出向いた先で使用するものなので、その場ですぐに使わないものは入れておく必要はありません。例えば、薬剤投与時に輸液ポンプが必要となる薬剤は救急カートには入れません。

日常点検は知識の補充!積極的にやってみよう!!

迅速な対応には薬剤の場所の把握も必要!

薬剤の管理は、薬剤部が行うところが多くなってきており、看護師がチェックしている医療機関でも、こまめに点検を実施しない所も増えているようです。
ただ、急変時にカートを使用することを考えれば、何がどこにあるかを知らなければ、迅速な対応に支障が出る恐れがあります。また、病院によって薬剤の名前や形状(アンプルから注射器型に変わるなど)がありますので、必ず自身の目で見て、触って確認する事が大切です。

いつ、どこで急変時のファーストエイドを行う状況に当たるかわかりません。内容を理解するためにも、チェックシートなどを利用して薬剤の配置や種類、物品の使用方法などを把握しておくと急変時対応の自信に繋がるでしょう。

いかがでしたか?明日からの救急カートのチェック時間を大切にしようと思っていただけたら嬉しいです。

 

 


急性期ケア専門士は急性期ケア・急変対応におけるスペシャリストです。

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状態変化の兆候をいち早く察知し、アセスメントから初期対応、医師への報告など急性期におけるケアの実践を行えることを目指す資格です。

また、病院だけでなく地域医療に携わる医療スタッフの方にも、在宅時から基幹病院へ【命のバトンをなめらかに】つなぐために実践できるノウハウを習得できます。

もしもの時の対処に自信がない方や、急変対応をもっと深く学びたい方は、ぜひ受験をご検討ください。

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