糖尿病は急な高血糖に注意

2024年5月8日 ライブラリー

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糖尿病って どんな病気?

皆さん、糖尿病の病態や、なぜ糖尿病を放置してはいけないか、わかりやすく説明できますか?

教科書において糖尿病は「インスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝性疾患」と言われています。
高血糖を放置し続けると、全身の血管をぼろぼろにしていくだけでなく、多くの疾患の発症・増悪につながります。そんな怖い病気ということです。

糖尿病の合併症

糖尿病の合併症は、

  • 細小血管症

糖尿病性神経障害・糖尿病網膜症・糖尿病性腎症

  • 大血管症

冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)・脳卒中(脳梗塞・脳出血など)

  • 末梢動脈疾患

があります。

ちなみに、血糖値が高いとなぜ血管が傷つくのかについては、酸化ストレスや終末糖化産物の蓄積など様々な要因が考えられるものの、完全には解明されていません。ただし、高血糖が慢性的に続くことで、全身の血管がぼろぼろに痛むことは研究で明らかになっています。

また、糖尿病は血管をぼろぼろにするだけでなく、多くの疾患の発症や増悪に関与します。たとえば、感染症に罹患しやすくなり、その後も重症化しやすくなります。

高熱が出ている男性

最近では、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクを高めるとの報告があります。さらに、がんの発症リスクに関する研究結果によると、特に「大腸がん」「肝臓がん」「すい臓がん」を中心に発症リスクが高くなると言われています。

そして、高齢社会の日本では、認知症・骨折・歯周炎・皮膚疾患など多岐に渡る疾患の発症・増悪リスクに関与していると報告されています。

糖尿病の種類

糖尿病は大きく分けると次の4つに分類されます。

  • 1型糖尿病
  • 2型糖尿病
  • その他の特定の機序や疾患による糖尿病
  • 妊娠糖尿病

(詳しいことは勉強して頂くとして…)

上記の中でも、糖尿病の方のうち9割は「2型糖尿病」と診断されています。

 

高血糖に気付くポイント

血糖値以外からのアセスメント

糖尿病の代表的な症状と言えば、「多飲」「多尿」「体重減少」がありますが、この症状は、長期間にわたり血糖値が高い状態が続かないと出てこないと言われています。

言い換えると、ほとんどの糖尿病の方は、長期間 無症状で過ごしていることが多いのです。また、前項で記載した合併症のうち網膜症に関しては、コントロール不良の高血糖状態が最低でも4~5年続いてから発症するとも言われています。

この血糖値があまりにも高い状態(400~500mg/dL以上)が続くと、脱水、電解質異常、ケトン体が増えたケトアシドーシスなどが出現し、意識障害やショック状態を起こして命の危険にさらされます。

ケトアシドーシスについて

緊急を要する高血糖の状態は「高血糖緊急症」と呼ばれます。糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)と高血糖浸透圧症候群(HHS)の2種類があります。

高血糖緊急症
血糖値 ケトン体 脱水 電解質
①DKA 著名な高血糖 増加
体が酸性(pH7.3未満)

あり
異常
②HHS 著名な高血糖 産生は多くない
高度脱水
循環不全
異常

手元に検査器がない場合はどうする?

糖尿病と診断されていない人が、意識レベル低下を起こした場合、まずはABCDEの評価を行い、血糖測定器があれば血糖値を確認すると思います。しかし、もし、手元に検査器が無い場合は、どう判断すればよいでしょうか?

そのような時は、【見て・聞いて・触れて・嗅いで】を活用します。

手元に検査器がない場合の3主症状
  • ケトン臭

甘酸っぱく、果物が腐ったようなにおい。口臭・汗も同様の臭いがします

  • 尿の性状

濃い色、泡立つ尿など

この時、四肢末梢の冷感、冷汗、CRTの延長の有無などなど、数値ではわからなくても、五感をフル活用して全身状態を診ていきましょう!

※CRTとは毛細血管再充満時間ともいわれ、指の爪床を5秒間圧迫して解除後の色が戻る時間をみるテストです。

著明な高血糖の原因と治療

原因

もし意識レベルの低下の原因が「著明な高血糖」であるとわかれば、なぜそれが起きているのか原因を考えていきます。下記のような要因が考えられます。

  • インスリンの分泌が低下
    1型糖尿病・膵疾患、膵切除後など
  • インスリンの抵抗性が上昇
    感染・悪性腫瘍など
  • 過剰な糖質摂取
    清涼飲料水の過剰摂取・高カロリー輸液など
  • 副腎皮質ホルモン投与の薬剤
    ステロイドパルス・多量のプレドニン投与など

このように、高血糖となっている原因が特定できれば、そこから治療方法を決めていきます。

治療

治療としては、

  • インスリンによる血糖管理
  • 電解質管理
  • 脱水治療

が挙げられます。

治療時には、血糖値だけではなく、全身状態の管理も並行して行うことが大切です。この時、血栓などの血管系のトラブルに注意しましょう。

 

 


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状態変化の兆候をいち早く察知し、アセスメントから初期対応、医師への報告など急性期におけるケアの実践を行えることを目指す資格です。

また、病院だけでなく地域医療に携わる医療スタッフの方にも、在宅時から基幹病院へ【命のバトンをなめらかに】つなぐために実践できるノウハウを習得できます。

もしもの時の対処に自信がない方や、急変対応をもっと深く学びたい方は、ぜひ受験をご検討ください。

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