この胸痛はすぐに対応!見逃してはならない疾患5選
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胸痛を起こす疾患は簡単に鑑別できる?
患者さんが胸痛を訴えていると聞くと皆さんはどのような疾患を想像しますか?
多くの人は心筋梗塞などの急性冠症候群が思い浮かんだのではないでしょうか。
しかし、実際にはストレス性からくる胸痛や消化器疾患であることが多いですよね。
このように胸痛といっても多種多様な疾患が背景にあることが多く、簡単には鑑別ができません。
胸痛の特徴によって緊急度の高い疾患だとわかる!
胸痛を起こす疾患の中には、特に緊急度の高いといわれる疾患が5つあります。
この5つの疾患を見極めるための特徴をしっかり確認しておきましょう。
急性冠症候群(ACS)
急性冠症候群は、
ST上昇型心筋梗塞
非ST上昇型心筋梗塞
不安定狭心症
に分類されます。
20分以上続く激しい胸痛や冷汗、嘔気が特徴でありショックやVFなどの不整脈を合併する危険性があります。
急性大動脈解離(AAD)
大動脈の内側がはがれ、隙間から血液がながれこんでしまう疾患です。
解離が起きた直後に激痛を伴うのが特徴です。
そして、胸痛発生後に背部痛へと痛みの移動がみられることも覚えておきましょう。
肺血栓塞栓症(PTE)
深部静脈にできた血栓が肺の血管で詰まってしまう疾患です。
急激に発生する胸痛と呼吸困難を同時に認めることが多いです。
長期臥床や手術後などのリスク因子を考慮してアセスメントしましょう。
緊張性気胸
胸腔に漏れ出た空気が肺や心血管を圧迫してしまう疾患です。
胸痛のほかに頻呼吸や乾性咳嗽などがみられるのが特徴です。
対応が遅れるとショックを引き起こす非常に緊急度の高い疾患です。
特発性食道破裂
食道の圧が急激に上昇することで食道の壁が裂けてしまう疾患です。
嘔吐に伴う突然の胸痛や呼吸困難などが特徴です。
なかでも、飲酒歴があることが多いためしっかり確認しましょう。
さいごに
これら疾患はFive Killer Chest Painといい、絶対に見逃してはいけない疾患と言われています。
胸痛の特徴を理解して、緊急の疾患→準緊急の疾患→その他の疾患 の順にアセスメントできるようになりましょう。
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状態変化の兆候をいち早く察知し、アセスメントから初期対応、医師への報告など急性期におけるケアの実践を行えることを目指す資格です。
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