緊急度判定「これはやばい!」をキャッチする!②~気道の評価 編~
記事執筆:
「何か変」「いつもとちがう」に気づくこと、観察したことを言葉にできること。
初期対応の基本は、学ぶことで習得できます。
緊急性の見極め方、そのコツについて皆で学ぶ『緊急度判定』シリーズ。
第2回は「気道の評価」についてお伝えします。
- 目次
ベテランでも迷う、緊急性の判断
急変時、効果的に観察ができない
どのタイミングで何を医師に報告するべきか迷う
BLSなどの講習を受ける機会がなかなかない
など、実は現場で働くベテランであっても日々不安を抱えて過ごしています。
「いつもと違うと思っても根拠をもって考えられない」
「搬送すべきかどうかの判断に迷う」
という声は、経験年数を問わず不安を感じるもの。
「何か変」に気づいてから、数秒以内に観察を開始し緊急性を判断する。これがプロの観察です。
「何か変」を軽視しない
私たちは、呼吸によって酸素と二酸化炭素を交換し、エネルギーを取り入れて、日常生活を送っています。このガス交換を行っているのが、主に気道と肺からなる呼吸器です。
患者さんが「息が苦しい」「息ができない」と訴えれば、いつもと違う状態であると気づくことができるでしょう。
患者さんは「さっき動いたからかな」「今日は暑いからかな」と理由を探してしまう場合があります。「何か変」に気づいても、不安から違うことに変換しようとする気持ちは理解できますね。
その不安を受け止めつつ、冷静かつ客観的に評価できることが医療のプロの仕事です。
命の危機を救う『気道』の異常の評価
では、気道の異常があるかどうかをどうやって見極めればいいのでしょうか。
文字通り、気道は空気の通り道です。空気が通っているかどうかをまずは判断します。
気道の評価は下記のとおりです。
どんな状態だと気道はOK?!
発声があればOK
声が出ていれば空気は通っているということ。問診や声掛けにこたえられるか反応を見よう。発声が弱い場合は注意が必要かもしれません。
胸郭の動きがあればOK
吸気時、呼気時の胸郭の動きを見よう。胸郭が動いているということは、気道から肺へ空気が流れているということ。
ゴロゴロ音やヒュー音が聞かれなければOK
呼吸に合わせて、気道から異常な音が聞かれれば気道が何らかの理由で狭窄していることを表します。近くにいるだけで聞こえる場合もあれば、聴診で聞こえることもあります。
鼻や口から呼吸を感じればOK
本人が話せない場合や意識レベルが低下している場合、鼻や口に手を当てて呼気を感じるかどうか確認します。
一つでも異常があれば、気道狭窄、閉塞の可能性があります。
「気道は問題がありそうだ」と判断し、引き続き『呼吸』の異常を確認します。
最後に
何事もまずは、気づくことから。
その気づきが目の前の人の命を、生活を、守ることにつながるのです。
さて、次回は『呼吸』の評価をお伝えします!
急性期ケア専門士は急性期ケア・急変対応におけるスペシャリストです。
状態変化の兆候をいち早く察知し、アセスメントから初期対応、医師への報告など急性期におけるケアの実践を行えることを目指す資格です。
また、病院だけでなく地域医療に携わる医療スタッフの方にも、在宅時から基幹病院へ【命のバトンをなめらかに】つなぐために実践できるノウハウを習得できます。
もしもの時の対処に自信がない方や、急変対応をもっと深く学びたい方は、ぜひ受験をご検討ください。